このコラム、月イチくらいで更新しようと決めていたのに第1回からはや一年……。ダメダメやん!団長から「ぼちぼち次を」とお願いされて、ハッと気づいたのでありました。
先日僕が実行委員長を務めた「吹奏楽コンクール課題曲名曲コンサート」のプログラムの最後の曲として演奏したのがこの曲。
「えー、この曲コンクールの課題曲だったの?」と思う人は多いはずで、僕もその一人。昔は作曲家に委嘱して作ってもらうのではなく、いわゆる”アリもの”の行進曲やオリジナル曲を課題曲として使うことがあったようで、この曲は1965年の大学・一般部門の課題曲だった。
僕が高校1年生のときの顧問の中田勝博先生(2年前に他界)が十八番にされていた曲で初めて演奏したときには「うーん、暗い曲じゃなあ……」くらいに感じていたのだが、これは僕のまだまだくちばしが黄色い音楽センスのあらわれで、演奏すればするほどこの曲の深みにハマり(いい意味で)、じわじわと心に沁みる曲として自分の中で育てていった。
冒頭から深い湖のかげりのような、森の奥の空気のような音の重なりとティンパニの刻み。だんだんと楽器が増え、広がりを見せたりまたしっとりと弱音になったり……。テンポが速くなるところはほぼ無く、激しさを表す低音群のうねりや金管の響きが増し、また終盤は楽器が少しずつ減り(チャイコフスキーの悲愴を思わせるような)弱音で終わっていく。
譜面づらはあまり難しくはないが、音楽的にやればやるほど沼は深い。そこがおもしろい。ただ「暗い」ではなく、そこには「切なさ」や「優しさ」を感じるからこそ、現在でも演奏され続けている名曲といえよう。
いよかんでも演奏したいですね。

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